団体交渉から解雇訴訟まで

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相談解決事例(退職勧奨の手順)

団体交渉から解雇訴訟まで

解雇につき、団体交渉から、紛争調整委員会によるあっせん、解雇訴訟までを経て、合意退職と解決金支払いによる和解に至った事例

【事例は抽象化・再構成しております】

事例の概要

ご相談企業様は、複数の従業員から、ある従業員の勤務態度不良や各種規程違反のために職場の士気が下がっているとの報告を受けたため、やむなく解雇に踏み切ったところ、職場の士気は改善したものの、その後約2年間係争したうえで合意退職と解決金支払いにより和解に至ったという事例です

主な争点

現在または近い将来解雇すべきか、もし解雇するとした場合、いつ、どのような状況や理由の下で、どのような方法や手順で解雇すべきか、解雇理由をどのように構成してどのように証明するか

法的紛争となった場合、解雇に客観的に合理的な理由があり社会通念上相当であると認められるか、これが認められないとした場合、紛争をどのように解決すべきか

当事者

ご相談企業様・・・製造業者(法人)

相手方・・・従業員

相談に至った経緯

ご相談企業様は、ある従業員につき、勤務態度不良や各種規程違反のために職場の士気が下がっているものの、法的には企業は従業員を簡単には解雇できないという話を聞いたことがあったため、法律相談にいらっしゃいました

相談時の助言など

相談時、一刻も早く退職して欲しい反面、法的紛争に発展することも避けたい、とのことでした

そこで、経過を聴取したところ、従前の書面による指導処分が十分になされていなかったため、相談時点で、解雇して法的紛争に発展した場合には不当解雇と判断される可能性が高く、強要に至らない程度に慎重に退職勧奨する以外に方法はないこと等を助言しました

その後、ご相談企業様と弁護士で退職勧奨の方法や手順を協議したうえで、退職勧奨を試みたものの、ご相談企業様は従業員から退職を拒否されたため、当面、勤務態度不良等につき、書面による指導処分を丁寧に実践することになりました

その際、継続的な相談・助言を可能とするため、ご相談企業様と弁護士で顧問契約を締結しました

相当期間を経ても、勤務態度不良等につき一向に改善せず、職場の士気も回復しなかったうえ、再度の退職勧奨も拒否されたことで、ご相談企業様は従業員を解雇することに踏み切ったところ、合同労働組合からご相談企業様へ団体交渉の申入れがありました

そこで、ご相談企業様は弁護士へ正式に各種対応を依頼することにしました

団体交渉・あっせん

複数回の団体交渉では、事前に想定問答集を作成・検討する等準備したうえで、ご相談企業様の人事労務担当者様と弁護士で出席して、合同労働組合へ、不誠実交渉と言われないよう、経過や解雇理由を説明するとともに、退職勧奨が強要ではなかったこと、復職に応じる予定はないこと等を伝えましたが、復職に応じるか応じないか平行線のまま、解決にいたりませんでした

その後、ご相談企業様から弁護士を通じて裁判所へ労働審判を申し立てることも検討していたところ、従業員が労働局へ個別労働紛争解決あっせんを申し立てましたが、結局、紛争調整委員会によるあっせんも、復職に応じるか応じないか平行線のまま、不調に終わりました

解雇訴訟

その後、従業員が弁護士を通じて裁判所へ解雇無効・地位確認訴訟を提起したため、ご相談企業様も弁護士を通じて経過や解雇理由について詳細に主張立証しました

その際、弁護士にてご相談企業様の他の複数の従業員から事情を聞き取ったり裏付資料を取得する等して、裁判所での証人尋問等の準備も進めました

結局、証人尋問前に、裁判所から、双方へ、従前の指導処分が未だ十分ではなく法的に正当な解雇とは認められそうにないが、復職前提での解決も現実的ではないのではないか等の心証開示があり、協議のうえ、合意退職と解決金支払いによる和解に至りました

解決後の雑感

全体として、解雇につき、団体交渉から訴訟上の和解に至るまで、約2年間を要しましたので、その間、ご相談企業様にとっても(紛争の相手方である従業員にとっても)相応の気力・労力を要することになりました

また、結果として、基本給約1年分相当額の解決金の支払が必要となりました

もっとも、ご相談企業様は、弁護士へ、適時に相談することで、解雇する前も後も不慣れな手続をできるかぎり適切に対応することができたうえ、職場の士気の低下を比較的早期に回復できたようです

そして、解雇の有効無効の分かれ目となる、普段の書面による懲戒処分の重要性も実感できたようです

企業と従業員の間の紛争は、法的には、従業員が保護されており、企業としてはその対応に苦慮することも多いですが、企業から従業員へ改善を求めるにしても退職を求めるにしても、企業から従業員への日ごろの指導処分の実施及び記録が重要です

解雇以外の方法による解決の有無、解雇理由の有無や程度、解雇した場合のその後の展開を十分に検討しておくためにも、安易な解雇に踏み切る前に、ご相談企業様から弁護士へお早目にご相談になられることをお勧めします

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