債権回収(03 法律相談から解決までのポイント)

債権回収(03 法律相談から解決までのポイント)

【目次】

01 概要

02 解決実績の例

03 法律相談から解決までのポイント ※ このページです

04 やや例外的な解決方法

【法律相談から解決までの主な流れ】

典型的な流れを記載しております

詳細はこの後の【法律相談から解決までのポイント】で解説しております

数日で解決できる場合から1年以上かかる場合までさまざまです

・典型的な流れ

法律相談(資料の整理・経緯の確認・所在や資力の確認・方針の検討)

交渉(内容証明郵便発送・電話・面談)

◆支払合意(合意書の調印)

★合意できた

★合意どおりの支払がなされている(→支払完了まで管理する)

★★合意どおりの支払がなされていない(→訴訟へ)

★★合意できなかった(→訴訟へ)

訴訟

訴状上の和解or判決

◇支払

☆訴訟上の和解or判決どおりの支払がなされている(→支払完了まで管理する)

☆☆訴訟上の和解or判決どおりの支払がなされていない(→資産調査へ)

資産調査(売掛金・預貯金・不動産等)

強制執行(差押え等)

【法律相談から解決までのポイント】

★法律相談

所要期間(目安) 1週間~1か月程度

所要費用(目安) 法律相談料(初回無料)等

・法律相談を予約する

相談予約専用番号にお電話にてご予約下さい

法律相談予約専用 TEL 070-5483-9947

電話予約受付時間 平日10時~18時(平日夜間・土日祝は留守番電話)

法律相談のお時間 平日10時~22時 土曜14時~18時(日祝は応相談)

※ 当日のご予約でもお時間があえばお受けします

ご相談を希望される方のお名前・連絡先

ご相談を希望される日時

ご相談の簡単な内容、ご持参の可能な資料など

面談法律相談では面談時にご相談の詳細な内容をうかがいます

詳細は【ご相談はお気軽に】をお読みください

・請求の根拠となる資料を確認する

契約書等を確認します

基本契約書、個別契約書

見積書、注文書、注文請書、納品書、受領書、請求書

支払約束書・支払猶予申入書

特に契約書等がない場合には以下の資料も確認します

電子メール、録音、メモ等

仕事をしたことが確認できる資料(経過や成果の報告書や写真等)

代金の一部が支払われたことが確認できる資料(通帳)

不備がある場合には他の資料や事情から不備を補うことができないか検討します

一番良い方法は、ご相談者企業様で取引先に支払約束書等に署名押印してもらうことです

また、代替策として、電子メールや録音等も活用・検討します

例えば、弁護士が介入して警戒される前に、ご相談企業様で取引先に電子メールを返信させたり電話や面談等で秘密録音したりして、契約締結の事実、仕事完成の事実、代金支払義務を前提とするやりとりを証拠化します

ご相談企業様「残りが300万円です、せめて10万円だけでも入れてくれませんか?」

取引先「10万円だけ入れる、残りも支払うがこちらも厳しいのでもう少し待ってほしい」

未回収となっている事案では、契約書等に不備があるケースがすくなくありません

そのような場合には、資料の収集・整理から回収・解決までに相応の時間や労力を要することになります

そのような場合でも、私はご相談やご依頼をお受けしていますが、ご相談企業様のご理解とご協力が必要になります

・請求に至った経緯も確認します

これまでの書類の授受の状況、仕事のクレームの有無、代金の支払の状況等の経緯も重要です

これまでも書類なしで仕事や支払がなされていたのであれば、書類なしでも多少は請求しやすいでしょう

「今までどおりの流れで仕事をしていたのに、なぜいきなり支払をしなくなったのか?」

その他、一定期間経過している場合には、消滅時効等の有無も検討します

・所在や資力等をできるかぎり確認する

ご相談企業様の取引先の所在や資力等をできるかぎり確認します

もっとも、判決確定以前であれば、限られた範囲でしか資力調査を行えず、ご相談企業様のご提供の情報に依拠する部分も多いのが実情です

なお、判決確定以降であれば、弁護士会照会(1か月程度、1~数万円程度)により、預貯金の有無や残高等、ある程度の資力調査を行うことが可能です

・現時点の方針を検討する

資料や経緯(これまでの取引状況、今後の取引状況)、資産状況、回収可能性等から、回収の見通しを立てて、可能な範囲で現時点の方針を検討します

ご相談企業様ご自身で解決するのか、弁護士へ依頼して解決するのか

どの段階まで行うのか(請求書送付、交渉、訴訟、強制執行等)

交渉時、分割払い等に応じてでも支払義務の確認や担保設定を優先すべきか

最終的に任意に支払われない場合、実際に回収できそうか、どの資産から回収するのか

例外的な方法を行うのか(仮差押申立て、担保権実行等)

★交渉

所要期間(目安) 1~数か月程度

所要費用(目安) 文書作成料(または着手金・報酬金)等

・請求書を送付する

弁護士が弁護士名義で送付する場合と、ご相談企業様が自らの名義で送付する場合があります

ご相談企業様が自らの名義で送付する場合

費用の関係からその後の交渉もご相談企業様自ら遂行したい場合や、今後の取引先との関係をできるかぎり維持したい場合等があります

弁護士が弁護士名義で送付する場合

正式に法的手続を取る可能性があることを認識させて早期の支払を促したい場合や、その後の交渉も弁護士に委任することを予定している場合等があります

なお、ご相談企業様と弁護士の間で協議したうえで、その後の交渉もご相談企業様自ら遂行することを予定しつつ、弁護士が弁護士名義で送付することもあります

請求書を出してすぐに解決するわけではありませんが、数日で支払がなされるケースもないではありません

事前の相談で損害賠償リスク等を検討したうえで、直ちに支払がなければ現在受注しているまたは近い将来受注しそうな仕事を履行しない旨を毅然と告げることで、支払がなされたというケースもあります

また、弁護士から通知が来たというだけで慌てて支払がなされたというケースもあります

もっとも、数か月間の交渉を余儀なくされたり、合理的な理由もないのに逆に損害賠償を請求する等と告げられて交渉の余地もなく訴訟を余儀なくされたりすることもあります

・電話、面談等で交渉する

請求書を送付した後、連絡を取り合って、電話や面談等で交渉します

もっとも、弁護士からでも一向に連絡が取れないという取引先も存在しますし、連絡が取れても、契約した覚えがないとか、契約どおりの仕事になっていないとか、むしろ損害が発生したので賠償しろとか、反発されることも多く、思うように交渉が進まないこともあります

順調に交渉が調えば、合意書を調印して、支払を待ちます

なお、契約書等に不備がある、仕事内容に不満がある等、争点が多い場合や、担保を設定したい場合には、金額や支払方法をある程度譲歩したうえでも、合意書を調印した方が良いと思います

特に契約書等に不備がある、仕事内容に不満がある等、争点が多い場合には、合意書を調印せずに訴訟となると訴訟にはかなりの時間や労力を要しますし、思うような解決が得られるかどうかもわかりません

(判決による敗訴リスク、倒産等による回収不能リスク)

合意書を調印しておけば、もし支払がなくとも、合意書どおりに支払えという比較的単純な裁判となり、訴訟でも比較的短期間に勝訴判決を取得することができます

また、合意する際に、担保を設定してもらったり、保証人を立ててもらったりすれば、合意書に従った支払がより期待できますし、倒産等による回収不能リスクを低減することができます

他方、事案によりますが、合意する場合には、一括であれば、請求額の7,8割程度とすることもやむをえない場合もあるでしょうし、分割払いであれば、全額だが1~3年等かかり、遅滞しない限り遅延損害金なしとすることもありえます

(但し、期限の利益を喪失した場合には、残額+遅延損害金等)

もっとも、そもそも誠実に解決する気がない場合には、合意しようがないのも事実です

★訴訟を提起・遂行する

所要期間(目安) 数か月~1年以上

所要費用(目安) 着手金・報酬金・実費等

交渉による解決が見込めない場合や、交渉の際に合意書を調印したのにこれに沿った支払がない場合には、訴訟を提起・遂行することになります

訴訟をしてもまともに応答がない場合や、交渉の際に合意書を調印したのに支払がない場合には、数か月程度で判決を得られることが多いです

逆に、契約書等に不備がある、仕事内容に不満がある等、争点が多い場合には、1年以上かかることもすくなくありません

なお、司法統計等によれば、民事第一審訴訟の平均審理期間は6~8か月程度とされていますが、最近の地方裁判所における金銭を目的とする訴え(債権回収もこれに含まれます)でも、訴訟提起から判決または訴訟上の和解等となるまで、概ね、3か月間以内のものが3割程度あり、3か月以上6か月間以内のものが2割程度あり、6か月間以上2年間以内のものが4割程度あり、2年間以上のものが1割程度あり、実際の債権回収の訴訟に係る期間は事案によって様々であることがわかります

・訴訟上の和解または判決

訴訟上の和解

訴訟上の和解は、主に裁判所の主導の下、双方当事者が互譲して紛争を解決するために行うものです

和解という響きに違和感を覚えるかもしれませんが、言葉を選ばずに言えば一種の休戦協定のようなものであり、戦略的な観点から利害調整のために行われることがほとんどです

すなわち、判決を目指して訴訟を継続すれば、それだけ時間や労力を費やすことになりますし、支払自体も遅くなりますが、判決では勝敗を決するため当然全面敗訴リスクがありますし、争点に対応して間を取ったような柔軟な解決や、支払能力に対応した分割払い等の柔軟な解決もできませんので、早期解決のために訴訟上の和解を探ることが通常です

また、第一審判決で勝訴しても、控訴された場合、控訴審でも、訴訟の時間や労力を費やしたうえに控訴審判決の全面敗訴リスクがあることからも、訴訟上の和解が求められます

もっとも、原則立脚型交渉・相互利益型交渉を意識する必要がありますし、和解交渉においては利益を不相当に最大化しようとしがちですから、相手方からこちらが客観性・合理性のない要求を展開し続けられないよう、冷静かつ毅然と応答することも必要になります

また、交渉時の合意と訴訟時の和解については基本的に同じ話が当てはまりますが、交渉時の合意に基づく強制執行はできず(但し、強制執行認諾付公正証書)、訴訟時の和解に基づく強制執行は可能であり、訴訟を提起・遂行した時間や労力は無駄にはなりません

★強制執行(資産調査を含む)

所要期間(目安) 数か月程度

所要費用(目安) 実費、追加着手金(場合による)、回収時の報酬金等

勝訴判決や訴訟上の和解にもかかわらず、これらに沿った支払がなされなかった場合には、強制執行をすることになります

具体的には、取引先の資産(預貯金、売掛金、不動産、動産等)を差し押さえて、強制的に回収します

預貯金や売掛金等

どこにいくらあるのかさえわかれば、実費も1~数万円程度で良く、比較的容易な方法です

預貯金等は、和解後や判決確定後であれば、弁護士会照会により、1~数万円である程度調査することも可能です

預貯金等は、銀行がこちらへ支払自体を拒むことはまずありませんが、残高があっても、差押え以前から相手方が銀行から借り入れている
場合に残高と相殺されてしまい、支払うべき残高がないとされることはあります

売掛金は、ご相談企業様の情報だよりになると思います

なお、差押後に相手方の売掛先がこちらへ支払をしない場合には、こちらが相手方の売掛先に対して取り立て訴訟を起こす必要があります

不動産

数十万円の予納金が必要になりますし、他に抵当権等が設定されている等で無剰余とされて競売できない場合や、競売にかけても落札されない場合があります

動産

費用は数万円で、個人相手ではなかなか難しいと思いますが、法人相手であれば、店の売上現金や商品等を差し押さえすることができる場合もあります

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