この記事は2019年1月に配布した顧問企業法務通信から抜粋したものです。
さて、昨今、ありがたいことに企業様が私と顧問契約を締結してくださる機会が増えていますが、経営者の皆さまはご多忙であり、なかには、顧問弁護士に連絡することを後回しにしてしまう企業様もあろうかと思います。
サービスは自然に使えるようになって初めて意味があります。
そこで、お手すきのときにご確認いただきたく、
「顧問契約のご活用のご案内」
として、以下を用意してみました。
【1 顧問弁護士の活用方法】
【2 よくあるご相談の例】
【3 ご利用に関するQ&A】
顧問契約について、自然にお使いいただけるよう、できるかぎりわかりやすく書いてみたつもりですが、いかがでしょうか。
ご多忙とは思いますが、ご一読いただき、顧問契約をより活用していただき、経営により専念していただければ幸いです
【1 顧問弁護士の活用方法】
(紛争の予防・法的な情報の収集)
・ 契約書類、法令、判例、ガイドライン等に関するちょっとしたお尋ね
( 例えば、契約書に***と書いてあるが、本当にそのとおりにしなければならないか、もしもそのとおりにしなければどうなるか、等 )
※ 速やかに情報を得て適切に意思決定しやすくなります。
(紛争や不当要求の牽制・抑制)
・ 「顧問弁護士に相談してから回答する」と回答する
※ 苦情対応等で即答を求められた場合に、無闇に即答して言質を取られることを避けられますし、実際に相談してから適切に対応することで、紛争や不当要求を牽制・抑制することにつながります。
(トラブル以上・紛争未満の相談相手~紛争の解決指針の早期策定)
・ 内容的・費用的に弁護士に依頼するほどではなさそうだが、代表者や担当者が取引先から苦情を受ける等、気がかりな状況がある際、早めに代表者や担当者から弁護士へ相談する
・ 紛争の解決指針の早期策定
※ 一緒に対応を協議・確認するだけでも精神的に良いと思います。
※ 突如深刻な紛争が発生するのではなく、トラブルが徐々に発展するものですから、紛争の解決指針の早期策定は、紛争の発生や拡大の要望という観点で、とても重要です。
(紛争の安価で迅速な解決)
・ 紛争発生時の文書作成代行や、一時的・個別的な苦情窓口代行
( 企業名の相手宛の各種文書(通知書、警告書、請求書等)や、企業と紛争相手との間の合意書等を、弁護士が作成して、企業が使用する等
暴言等を含む苦情につき、弁護士が相手方から苦情を代わりに聞く等 )
(費用割引、他の信頼できる専門家の紹介)
・ 訴訟等に発展した場合の着手金等の費用の割引
・ 司法書士、社会保険労務士、弁理士等の他の信頼できる専門家の紹介
【2 よくあるご相談の例】
(契約書類チェック・紛争予防)
・ 取引基本契約書を提示されたが、そのまま調印して良いか
・ 契約書類を作成して、新規事業のサービスや責任を単純化・明確化したい
・ 契約書類を改訂して、トラブルを回避したい
・ 秘密保持契約書を作成しておきたい
・ 反社会的勢力排除のための契約条項や誓約書を作成しておきたい
・ 契約書類を未作成・未更新のまま放置しているので、整理・対応したい
(債権回収)
・ 売掛金の遅滞や未払が多い、未払を防止するためにはどうしたらよいか
・ 契約書類や業務報告に不備があるが、仕事はしたので代金を請求したい
・ 未払に備えて、取引先の第三者に対する債権や資産に担保を設定したい
(雇用問題)
・ 社員間でハラスメントがあった場合、対応や処分をどうしたらよいか
・ 社員が当社を退社する際、トラブルとならないためにはどうしたらよいか
(クレーム対策・苦情処理)
・ 当社に多少なりとも非がある場合には、先方へ謝罪してもよいのか
・ 執拗な苦情なので、代わりに話を聞く等対応してもらえないか
(知的財産に関するご相談)
・ 当社のウェブサイトに他社の商号や製品写真を用いてもよいのか
(業種に応じたご相談)
・【製造】新技術のライセンス製造時の契約書類作成
・【不動産売買・不動産賃貸】賃借人間の迷惑行為の対応、敷金返還請求対応
・【建設・工事】工事請負基本契約書の確認、債権回収
(会社の経営全般に関するご相談)
・ 株式総会、取締役会の開催・運営に関するご相談
・ 経営再建、資金繰り(返済猶予交渉)に関するご相談
・ 事業譲渡、事業承継に関するご相談
【3 ご利用に関するQ&A】
Q1 夜間や休日も連絡して良いですか。
A1 良いです(可能です)。
夜間や休日に早く相談したいこともあると思いますので、ご利用ください。
翌日以降の折り返しのお電話となることがありますので、ご了承ください。
Q2 連絡はどのような方法が良いですか。
A2 直通電話が良いと思います。
固定電話に電話される場合には平日日中にお願いします。
FAXや電子メールを送信される場合には、特に平日夜間や休日は確認できませんので、お電話もください。
なお、ご相談は、電話や文書のほか、必要に応じて面談で実施しております。
Q3 代表者以外の役員や社員から弁護士へ連絡させて良いですか。
A3 良いです(可能です)。
代表者の皆様は特に多忙ですので、案件に関する方から弁護士へ連絡していただいても良いですし、代表者以外の役員の方や幹部・総務の社員の方を弁護士へ連絡する担当者としておくと連絡しやすいと思います。
なお、その場合の連絡内容はご担当者から代表者へご報告ください。
また、代表者以外の役員や社員の方から弁護士へ連絡する場合の守秘義務について、Q5・A5もご確認ください。
Q4 役員や社員のプライベートな事項も相談して良いですか。
A4 良いです(可能です)。
ただし、会社とご相談者の利益が相反するようなご相談(例えば、社員が会社へ残業代を請求したい等)は、お受けできません。
なお、ご相談は原則として顧問契約の範囲内として無料といたしますが、具体的なご依頼の際は別途料金をご案内いたします。
Q5 相談したことは他人に伝わりませんか。
A5 秘密は守られますのでご安心ください。
なお、代表者が代表者以外の方へ相談したことを秘密にしたい場合には、代表者ご自身で弁護士へ直接ご連絡ください。
また、代表者以外の方が弁護士へご連絡になった事項は、プライベートな事項のご相談を除き、弁護士から代表者へお伝えすることがあります。